澤口俊之

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Ambox notice.png このページは「澤口俊之」のダイエットに関する情報を扱います。

澤口 俊之(さわぐち としゆき、1959年2月23日 - )は日本の脳科学者、科学評論家。フジテレビ系列『ホンマでっか!?TV』などのメディアで、脳科学の理論に基づいたダイエット法などを紹介している。

目次

人物・ダイエット歴

  • 2011年2月17日、フジテレビ系列『ホンマでっか!?TV』で共演している経済学者の門倉貴史が自身のブログにて出演を辞退(後に番組復帰)を表明し、その理由として名指しに近い形で澤口への批判が掲載された際には、心労で3kg痩せた。

ダイエット理論

澤口は、元々細身の筋肉質な体型であることもあり、自身のダイエット体験等が語られる事は殆ど無いが、脳科学を中心とした学術的な視点に基づいた肥満の仕組みやダイエットに関する知識は豊富である。フジテレビ系列『ホンマでっか!?TV』などのTV番組や、自身の著書等において、その知識やダイエットの具体的な方法論までを度々語っている。ここでは澤口がそれらのメディアで紹介したダイエットの知識や方法論について取り上げる。

ダイエットの必要性

まず最初に、自分は本当にダイエットをする必要があるかを知っておく必要があると澤口は主張する。また、澤口は、日本の女性の多くはダイエットを必要としないとも述べている。それには以下のような理由がある。

ダイエットの必要性を判断する指針
自分にとってダイエットが必要であるかを判断する指針となるのが、BMI(ボディマス指数)である。これは、体重(kg)÷身長(m)2で導くことが出来る。このBMIのデータを考慮すると、日本人の多くはダイエットをする必要がない。肥満と定義されるのはBMIが30以上であるが、日本人でこれに該当する人は全体の3.5%であり、先進諸国の中では最低である。ちなみに、肥満大国とされているアメリカの肥満比率は約34%。日本はその10分の1程度である。逆に、痩せ過ぎとされるBMIが18.5未満の女性の比率は、日本は11%であり、先進諸国の中で最大となっている。逆にアメリカは3.3%であり、日本はその3倍以上である。
厚生労働省の調査によると、40代の女性の場合、太り気味とされるBMIが25以上30未満の人が最も長命であることが分かっている。逆に最も短命なのが痩せ過ぎとされるBMI18.5未満の人である。
そもそも女性の場合、子供を産み育てるという生物学的な特徴から考えても、エネルギー源となる皮下脂肪はある程度必要となる。男性から見ても、最も魅力的に映るのは、BMIが約21程度のやや太り気味の女性である。
8割の男性がやや太った女性を好む
日本人男性の意識調査によると、8:2の割合でやや太った女性が好まれている。また別のアンケート調査でも、80%の男性は、「自分の彼女(妻)はダイエットをする必要がない」と答えている。脂肪というのは、女性ホルモンがちゃんと分泌することによって沈着する。従って太った女性は女性ホルモンが多く優しい。逆に痩せている女性は女性ホルモンが少ないので攻撃的・神経質的・不安定なことがあ。また、太った女性は出産時に必要な皮下脂肪が多いので結婚という面からも好まれやすい。
太もものサイズと寿命の関係
太ももの太さは寿命に関係している。デンマークの調査によると、最も長寿な女性の太ももの周長は60cmである。それ以上細くても太くても寿命は短くなるが、太い場合には大した違いはない。逆に太ももが細いと急速に短命になるというデータがある。太ももの周長が46cmの場合、60cmの女性よりも死亡率が約3倍高くなるという報告がある。以上はデンマークのデータであるが、日本の女性はデンマークの女性よりも平均身長が10cm程低い。いくつかのデータから計算すると、日本人女性の理想の太ももの周長は55cmとなる。
ヒップとウエストの黄金比
女性のヒップとウエストの黄金比率とさている数値があり、それは0.7である。ヒップが90cmの場合は、ウエストは63cmが理想ということになる。この比率が黄金比とされている理由は、この比率の女性の体型が免疫力と繁殖力が最も高いからである。さらに、男性もこのような体型の女性を魅力的だと感じる。男性はこのような体型の女性を見ると、脳内快感系や評価系が最も活性化することが分かっている。この黄金比率になるためには、痩せすぎてはいけないことは明らかである。ダイエットをして痩せすぎてしまうとこのバランスが崩れることになる。

肥満の仕組み

澤口は、人間が肥満となる仕組みについて、脳科学やその他の学術的な知識に基づいた分析を行っている。また、ダイエットを成功に導くには、こうした仕組みを熟知する必要があると主張する。

肥満と麻薬中毒は同じ仕組み
ダイエットを成功させるのが難しい理由は、肥満が麻薬中毒と同じ仕組みでもたらされるという点にある。食べ物を摂取することで脳内報酬系が活性化され、ドーパミンが放出し快感が生まれる。この快感を得るために、さらに食べるという繰り返しで、肥満への負のスパイラルが起こる。食べることがやめられなくなり肥満になってしまう人は、食べることに関係する脳領域の活動レベルが高いままになっている。つまり中毒状態なのである。但し、このように食べ物中毒に陥る動物は人間だけである。猫でさえも、どんなに食べ物があっても食べ過ぎないで適正カロリーと体重を維持している。では、何故人間は中毒状態に陥るのか?それは人間の知的レベルが高いからである。人間の脳は、他の動物と比べ、カロリーを多量に必要とする。特に甘いものやカロリーの高いものは、人間の脳にとって魅惑的なものとなる。肉を見るだけで気分が良くなり落ち着くことも分かっている。このような脳の性質は、甘いものや肉類が少なかった時代には問題なかったが、現代の日本のように飽食の時代は、どうしても肥満になりやすいのである。
脳は甘いものを見ると胃にスペースを空ける
脳は甘いものを見た瞬間に胃にスペースを空ける。それくらい人間にとって甘いもの、高カロリーなものは数千万年の間求め続けたものである。金平糖が200~300年くらい前までは非常に高価なものであったように、昔は甘いものはすぐに手に入らない世の中だった。こうした状況で生き残るためには、甘いものを見て胃にスペースが空くのは人間の進化の中では当然の現象である。
太ることは50%が遺伝
体重は遺伝が50%、環境要因は50%である。ちなみに背の高さは80%が遺伝で決まる。また、遺伝は20歳ぐらいから強くなってくるもので、若い頃は痩せていても20歳を超えてから遺伝が原因で太るケースもある。そういう人はダイエットをして痩せても結局元に戻る傾向にある。
肥満と知能の関係
太っている人ほど知能が低い傾向にあることが分かっている。知能が低いから太るのではなく、太ると知能が下がる。さらに、認知症にも羅患しやすくなる。但し、日本の平均的な体型の女性についてはその心配はない。
カロリー制限とアンチエイジング
カロリー制限をすることで、見た目の年齢は下がるばかりか、実際に若くなる。適正なカロリーを維持して肥満防止に努めることは、アンチエイジングという面においても好ましい。
冬になると痩せる
冬になると太るという通説があるようだが、寒さによる代謝メカニズムを考えると、本来なら痩せるはずである。冬は体温維持にエネルギーを使うからである。しかし、外の温度が低くても、室内温度を上げて過ごしていると、体内の代謝メカニズムが変調をきたし、太ってしまう。本来なら冬は最もダイエットしやすい季節なのだから、ダイエットのためには室内の温度をあまり上げないようにすると良い。

ダイエット法

有酸素運動
澤口は、ダイエットには有酸素運動を推奨している。有酸素運動は脳的にも良く、エアロビクスをしている人は脳の老化が非常に遅くなる。脳の老化で萎縮する部分と有酸素運動で改善する部分はほぼ同じである。従って50、60歳代で毎日運動している人は20代で運動していない人よりも知的能力が高い。
有酸素運動の一つとしてウォーキングが挙げられる。ダイエット効果を上げるためには、ウォーキングは1.5倍の速さで歩くことを澤口は推奨する。
甘いコーヒーを少しずつ飲む
甘いコーヒーをチビチビ飲むことで、空腹感を抑えられる。甘いものを少しずつ摂ると血糖値が維持され、脳を騙し空腹にならない。こうすると1日1食でも大丈夫になる。空腹と満腹を感じるメカニズムは、脳の中の視床下部にある飢餓中枢と満腹中枢のバランスに依る。このバランスは糖に反応して変動する。つまり血糖値が上昇すると満腹中枢に働きかけ脳が満腹と判断する。早食いは満腹中枢が働く前に食べ過ぎてしまい太る原因になるが、ゆっくり少しずつ食べることで、食べすぎを防げる。
イメージング法
「1年後にダイエットに成功した理想の自分」を強くイメージするという方法で、体だけでなく脳からもダイエットを行うことが重要である。これは、1ヶ月後の自分のイメージとなると、期間が短すぎて成功する現実味が湧きにくいのでNG。「1年後の自分」というのがポイント。

ダイエット関連の著作

  • 『脳をこう使えば、ボケない、太らない』小学館、2012年11月1日、ISBN 978-4093965194
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