加圧トレーニング:版間の差分

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加圧トレーニングとは、腕や足の付け根を専用の加圧ベルトで締めつけ、腕や脚の血流量を適度に制限した状態で行うトレーニング法である。これにより、通常のトレーニングより軽い負荷でも、同等以上の筋力アップを期待できるとしている。考案者は、日本加圧トレーニング学会会長の佐藤義昭。
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'''加圧トレーニング'''(かあつトレーニング)とは、腕や足の付け根を専用の加圧ベルトで締めつけ、腕や脚の血流量を適度に制限した状態で行うトレーニング法である。これにより、通常のトレーニングより軽い負荷でも、短期間での筋力アップや成長ホルモンの分泌による美容効果等を期待できるとしている。考案者は、日本加圧トレーニング学会会長の佐藤義昭。'''加圧式トレーニング'''、或いは単に'''加圧式'''などとも呼ばれる。スポーツ選手の筋力トレーニングに採用される他、リハビリテーション、ダイエット、美容目的等に用いられている。
  
 
==起源・歴史==
 
==起源・歴史==
1965年、佐藤義昭が高校3年生の秋。親族の法事の席での正座により脚がしびれてしまったため、ふくらはぎを揉み始めたところ、その時の脚の張り具合が、カーフレイズというふくらはぎの筋肉を強化するトレーニングで極度に追い込んだ時の状態とそっくりだと気づいた。
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1965年、佐藤義昭が高校3年生の秋。親族の法事の席で、正座により脚がしびれてしまったため、ふくらはぎを揉み始めたところ、その時の脚の張り具合が、カーフレイズというふくらはぎの筋肉を強化するトレーニングで極度に追い込んだ時の状態とそっくりだと気づいた。この状態は血流が減少することによってもたらされたわけである。ということは、人工的に血流を減少させることにより、筋肉は太くパンプアップするのではないか?ということを思いついたのである。その思いつきから試行錯誤し、半年後には自転車のタイヤのチューブで太ももの付け根を縛ってスクワットをすることで、パンプアップ効果が得られることを確認した。
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1966年、佐藤義昭が大学1年生の夏。自己流のタイヤチューブによるトレーニングを続けたことで、肺塞栓症を患ってしまった。医師は佐藤の自己流のトレーニング法を即刻やめるようにと警告した。しかし、佐藤はやめなかった。血栓ができたのは、締め付けが強すぎたのだと考え、以降は最適な加圧具合の調整を研究するようになった。ここから試行錯誤する中で最適な加圧量やトレーニング頻度を導き出していった。
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1967年、安全かつ効果的な加圧の理論がほぼ確立し、加圧を脚だけでなく腕にも行うようになった。その後4年間で現在の加圧トレーニングの原型となる方法論が完成していった。
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1973年、佐藤は自身のフィットネスジムの会員とスキーに行った際、両くるぶし骨折および半月板と内側側副靭帯損傷という全治6ヶ月の重傷を負った。医師には即入院を通告されたが、佐藤は拒否。地元のかかりつけの整骨院でギプスをしてもらい急場をしのいだ。しかし、ギプスをつけると筋肉が萎縮することを懸念した佐藤は、ここでも自身の加圧トレーニングが役立つと考え、ギプスは足首と膝にだけしてもらい、負傷した右脚太ももの付け根の加圧を始めた。2週間後、整骨院を訪れると、筋肉は萎縮どころか発達しており、6週間でギプスが取れるまでに回復した。通常、骨折の完治には少なくとも3ヶ月はかかるが、わずか6週間で回復したことは医師を驚かせたという。医師が特に驚いたのは、筋肉の発達以上に、膝の靭帯が良くなっていて、骨融合が極めて早期に行われたことである。佐藤はこの経験から、加圧トレーニングのリハビリ効果も確信することとなった。これにより、加圧トレーニングは、佐藤のジム内でも話題となり、佐藤は初めてこのトレーニング法を、他人に対しても行うようになった。
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1983年、佐藤の加圧トレーニングの指導は10年経過し、指導した延べ人数が数十万人となり、加圧トレーニングを他人に施す際の方法論が確立した。その中で、自転車のチューブに代わる、現在使用されているような伸縮性圧力センサー加圧ベルトの原型も生まれた。
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1994年、日本国内で加圧トレーニングの方法論における特許を出願する。
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1995年、佐藤は、東京大学にて、同大学大学院院総合文化研究科教授の石井直方らとともに、加圧トレーニングのメカニズム解明と効果に対する客観的データ分析を行う研究を始めた。
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1997年6月、日本の特許庁から、加圧トレーニングの方法論における特許が認可された。またこの年に、指導者の養成もスタートした。
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2000年11月、アメリカで特許使用権が認められる。
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2012年10月17日、加圧トレーニングの特許における無効審判の結果、「特許は有効である」という審決が出た。
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==理論==
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腕や脚の付け根に専用の加圧ベルトで締め付け、腕や脚の血流量を適度に制限した状態でトレーニングを行うことで、短期間で楽に筋力アップ等の効果を得られるとしている。通常のトレーニングよりも短期間に筋力アップ効果が得られる理由については、主に次の5つの現象の影響がある。
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===血流改善===
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加圧によって血流が著しく良くなる。血行が良くなると、筋肉へ運ばれる酸素量が増えるため、新陳代謝が活発になり、筋肉が増大するための環境が整う。加圧によって血流が良くなる理由は、圧を加えて、腕や足へ流れ込む動脈と静脈の血流量のバランスを変化させると、一時的に血液が腕や脚に滞留する「プーリング現象」が起こる。これにより、流れ込んだ血液が、行き場を探して様々な毛細血管まで行き渡ることで血管の拡張が起こる。従来のトレーニングでもこの状態になるのだが、加圧トレーニングでは、より瞬時にこの状態を作ることが出来る。
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===血管の増加===
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前述した血流改善とも関係するのだが、加圧をすることで、今まで流れていなかった血管に血流がいくようになり、新しい毛細血管が生まれる。これにより、さらに多くの血液が流れるようになる。血管が生まれるということは、新しく末梢神経も生まれるということでもあるため、麻痺していた部位に感覚が蘇るといったリハビリ効果も期待できるとしている。
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===活性酸素の刺激===
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活性酸素による刺激も、加圧による筋力アップの理由の1つである。活性酸素は老化やガンなどの疾患の原因物質の1つとされるものであるが、少量であれば害にはならず、筋肉細胞に働きかけ、細胞の増殖や成長を促進し、筋肉の増加に効果がある。つまり、加圧の刺激そのものが、筋肉を増大する効果があるということである。
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===筋肉を騙す===
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筋肉には、瞬発力に優れた速筋(FT繊維)と、持久力に優れた遅筋(ST繊維)の2種類がある。速筋を鍛えるためには、高負荷で少ない回数のトレーニングを行い、遅筋を鍛えるには、低負荷で多い回数のトレーニングを行うのが通常である。本来、瞬発力と持久力の両方を高めるためには、この2種類のトレーニングを両方こなす必要がある。しかし、加圧トレーニングでは、軽い負荷でもこの2種類の筋肉を同時に鍛えることが可能である。これは、加圧を施すことにより、筋肉は負荷の違う2種類のトレーニングを同時に行っているかのように、脳に「騙される」からである。軽い負荷でも、高負荷のトレーニングと同等の効果が得られるメリットは、関節への負担を軽減したり、腰痛や関節炎の予防、長時間トレーニングからの開放、怪我をしたスポーツ選手や高齢者らのリハビリテーションなど、高負荷のトレーニングが不可能な場合でも、筋肉量を増やすことができる点などが挙げられる。
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===成長ホルモンの分泌===
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加圧トレーニングを行うと、通常の約290倍の成長ホルモンが分泌される。成長ホルモンは、体の成長と新陳代謝を活発にする。通常は成長期に最も多く分泌され、加齢とともに減少する。成長ホルモンは、老化を遅らせる、免疫力をアップさせる、怪我や病気の回復力を高める、脂肪を燃焼させる等、様々な働きがあり、これに伴い加圧トレーニングも、筋力アップだけでなく、リハビリ、アンチエイジングや美容・ダイエット等、様々な場面で行われることとなった。
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== 著名人の実践者 ==
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*[[伊藤英明]]
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*[[大島美幸]]
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*角田信朗
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*[[樫木裕実]]
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*[[水道橋博士]]
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*[[釈由美子]]
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*[[友近]]
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*[[藤原紀香]]
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*[[ほしのあき]]
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== 外部リンク ==
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*[http://www.kaatsu.com KAATSU JAPAN 株式会社]
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*[http://www.kaatsu.jp 日本加圧トレーニング学会]
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2013年8月28日 (水) 18:42時点における最新版

加圧トレーニング(かあつトレーニング)とは、腕や足の付け根を専用の加圧ベルトで締めつけ、腕や脚の血流量を適度に制限した状態で行うトレーニング法である。これにより、通常のトレーニングより軽い負荷でも、短期間での筋力アップや成長ホルモンの分泌による美容効果等を期待できるとしている。考案者は、日本加圧トレーニング学会会長の佐藤義昭。加圧式トレーニング、或いは単に加圧式などとも呼ばれる。スポーツ選手の筋力トレーニングに採用される他、リハビリテーション、ダイエット、美容目的等に用いられている。

目次

[編集] 起源・歴史

1965年、佐藤義昭が高校3年生の秋。親族の法事の席で、正座により脚がしびれてしまったため、ふくらはぎを揉み始めたところ、その時の脚の張り具合が、カーフレイズというふくらはぎの筋肉を強化するトレーニングで極度に追い込んだ時の状態とそっくりだと気づいた。この状態は血流が減少することによってもたらされたわけである。ということは、人工的に血流を減少させることにより、筋肉は太くパンプアップするのではないか?ということを思いついたのである。その思いつきから試行錯誤し、半年後には自転車のタイヤのチューブで太ももの付け根を縛ってスクワットをすることで、パンプアップ効果が得られることを確認した。

1966年、佐藤義昭が大学1年生の夏。自己流のタイヤチューブによるトレーニングを続けたことで、肺塞栓症を患ってしまった。医師は佐藤の自己流のトレーニング法を即刻やめるようにと警告した。しかし、佐藤はやめなかった。血栓ができたのは、締め付けが強すぎたのだと考え、以降は最適な加圧具合の調整を研究するようになった。ここから試行錯誤する中で最適な加圧量やトレーニング頻度を導き出していった。

1967年、安全かつ効果的な加圧の理論がほぼ確立し、加圧を脚だけでなく腕にも行うようになった。その後4年間で現在の加圧トレーニングの原型となる方法論が完成していった。

1973年、佐藤は自身のフィットネスジムの会員とスキーに行った際、両くるぶし骨折および半月板と内側側副靭帯損傷という全治6ヶ月の重傷を負った。医師には即入院を通告されたが、佐藤は拒否。地元のかかりつけの整骨院でギプスをしてもらい急場をしのいだ。しかし、ギプスをつけると筋肉が萎縮することを懸念した佐藤は、ここでも自身の加圧トレーニングが役立つと考え、ギプスは足首と膝にだけしてもらい、負傷した右脚太ももの付け根の加圧を始めた。2週間後、整骨院を訪れると、筋肉は萎縮どころか発達しており、6週間でギプスが取れるまでに回復した。通常、骨折の完治には少なくとも3ヶ月はかかるが、わずか6週間で回復したことは医師を驚かせたという。医師が特に驚いたのは、筋肉の発達以上に、膝の靭帯が良くなっていて、骨融合が極めて早期に行われたことである。佐藤はこの経験から、加圧トレーニングのリハビリ効果も確信することとなった。これにより、加圧トレーニングは、佐藤のジム内でも話題となり、佐藤は初めてこのトレーニング法を、他人に対しても行うようになった。

1983年、佐藤の加圧トレーニングの指導は10年経過し、指導した延べ人数が数十万人となり、加圧トレーニングを他人に施す際の方法論が確立した。その中で、自転車のチューブに代わる、現在使用されているような伸縮性圧力センサー加圧ベルトの原型も生まれた。

1994年、日本国内で加圧トレーニングの方法論における特許を出願する。

1995年、佐藤は、東京大学にて、同大学大学院院総合文化研究科教授の石井直方らとともに、加圧トレーニングのメカニズム解明と効果に対する客観的データ分析を行う研究を始めた。

1997年6月、日本の特許庁から、加圧トレーニングの方法論における特許が認可された。またこの年に、指導者の養成もスタートした。

2000年11月、アメリカで特許使用権が認められる。

2012年10月17日、加圧トレーニングの特許における無効審判の結果、「特許は有効である」という審決が出た。

[編集] 理論

腕や脚の付け根に専用の加圧ベルトで締め付け、腕や脚の血流量を適度に制限した状態でトレーニングを行うことで、短期間で楽に筋力アップ等の効果を得られるとしている。通常のトレーニングよりも短期間に筋力アップ効果が得られる理由については、主に次の5つの現象の影響がある。

[編集] 血流改善

加圧によって血流が著しく良くなる。血行が良くなると、筋肉へ運ばれる酸素量が増えるため、新陳代謝が活発になり、筋肉が増大するための環境が整う。加圧によって血流が良くなる理由は、圧を加えて、腕や足へ流れ込む動脈と静脈の血流量のバランスを変化させると、一時的に血液が腕や脚に滞留する「プーリング現象」が起こる。これにより、流れ込んだ血液が、行き場を探して様々な毛細血管まで行き渡ることで血管の拡張が起こる。従来のトレーニングでもこの状態になるのだが、加圧トレーニングでは、より瞬時にこの状態を作ることが出来る。

[編集] 血管の増加

前述した血流改善とも関係するのだが、加圧をすることで、今まで流れていなかった血管に血流がいくようになり、新しい毛細血管が生まれる。これにより、さらに多くの血液が流れるようになる。血管が生まれるということは、新しく末梢神経も生まれるということでもあるため、麻痺していた部位に感覚が蘇るといったリハビリ効果も期待できるとしている。

[編集] 活性酸素の刺激

活性酸素による刺激も、加圧による筋力アップの理由の1つである。活性酸素は老化やガンなどの疾患の原因物質の1つとされるものであるが、少量であれば害にはならず、筋肉細胞に働きかけ、細胞の増殖や成長を促進し、筋肉の増加に効果がある。つまり、加圧の刺激そのものが、筋肉を増大する効果があるということである。

[編集] 筋肉を騙す

筋肉には、瞬発力に優れた速筋(FT繊維)と、持久力に優れた遅筋(ST繊維)の2種類がある。速筋を鍛えるためには、高負荷で少ない回数のトレーニングを行い、遅筋を鍛えるには、低負荷で多い回数のトレーニングを行うのが通常である。本来、瞬発力と持久力の両方を高めるためには、この2種類のトレーニングを両方こなす必要がある。しかし、加圧トレーニングでは、軽い負荷でもこの2種類の筋肉を同時に鍛えることが可能である。これは、加圧を施すことにより、筋肉は負荷の違う2種類のトレーニングを同時に行っているかのように、脳に「騙される」からである。軽い負荷でも、高負荷のトレーニングと同等の効果が得られるメリットは、関節への負担を軽減したり、腰痛や関節炎の予防、長時間トレーニングからの開放、怪我をしたスポーツ選手や高齢者らのリハビリテーションなど、高負荷のトレーニングが不可能な場合でも、筋肉量を増やすことができる点などが挙げられる。

[編集] 成長ホルモンの分泌

加圧トレーニングを行うと、通常の約290倍の成長ホルモンが分泌される。成長ホルモンは、体の成長と新陳代謝を活発にする。通常は成長期に最も多く分泌され、加齢とともに減少する。成長ホルモンは、老化を遅らせる、免疫力をアップさせる、怪我や病気の回復力を高める、脂肪を燃焼させる等、様々な働きがあり、これに伴い加圧トレーニングも、筋力アップだけでなく、リハビリ、アンチエイジングや美容・ダイエット等、様々な場面で行われることとなった。

[編集] 著名人の実践者

[編集] 外部リンク

ダイエット法
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